この前、カルロ・ロヴェッリが書いた著書『すごい物理学講義』を紹介させていただきました。
その記事が⇩こちらですね。
この本は科学の歴史的なところから、今どこまで宇宙が分かっているのかまで書かれており、とても面白いんですが物理を選択してこなかった人には少し難しいかなという印象を受けました。
しかし!
この本を読む前に今回紹介する『がらりと変わって見える物理の本』を読んでおけば、かなり理解が深まるのではないかと思います。
なぜならば、この本は『すごい物理学講義』の簡易バージョンであるからです。
物理を勉強してきてないので、少し苦手だな、でも宇宙や素粒子のことが知りたい!という方にはお勧めの一冊となっております。
アインシュタインから始まり、宇宙、粒子、熱、そして私たち人間は自然の一部であるということを改めて考えさせられます。
著者であるカルロ・ロヴェッリはループ量子重力理論の最先端にありながら、数式をほとんど使うことなく分かりやすいたとえを使い、複雑な理論でさえも何となくわかったなという気にさせてくれるのです。
皆様もこの『がらりと変わって見える物理の本』を読んでから、『すごい物理学講義』を読んでみてはいかがでしょうか。
きっと理解が深まるはずです。
本を読んでみて
本文より、『私たち自身もその自然の構成要素であると同時に、自然そのものでもあります。』
私たち人間は特別なのでしょうか?
そんなことはありません。
人間を構成する原子は他の動物たちと何ら変わらないわけですから。
かつて人属には12種類存在しましたが、現在生き残ったのはその中の1種類のホモサピエンスです。
たった1種しかいないのです。
アフリカから始まり、今では地球を飛び越え月にまで足を踏み入れたホモサピエンス。
私たちの遠い祖先がそのことを予測できたのか。
もはや想像のつかない域にまで達しているのかもしれません。
人類は姿形を変えないまま、数百万年の時を過ごしてきました。
ロヴェッリは本書でこう言っています。
『おそらく、人類はそう長くは存続しないでしょう。』
種の寿命というのは短いもので、私たち人間のいとこたちは全て滅んでいます。
また、人類が引き起こした気候変動や地球環境の変化は地球全体から見れば、確かに小さなものなのかもしれません。
しかし、人類にとっては種を滅ぼす可能性もあるほどの深刻な問題であると考えられます。
このままいけば、自分たちの築き上げた文明が崩壊していくのを、自覚したまま見届ける種になりかねないとロヴェッリは言います。
人類という種を根絶やしにしないためにも、私たち人間は自然の構成要素であるとともに、世界の一部であるということを自覚し、自らの行動を見直していかなければいけないのかもしれません。
学ぶということはきっとそのことにも繋がります。
勉強が嫌いだという人が少しでも減るように私も行動していきたいと思います。
2.本の詳細
『世の中ががらりと変わって見える物理の本』
2015年11月初版
カルロ・ロヴェッリ 著
竹内薫 監訳
青木邦哉 監訳協力
関口英子 訳者
タケウマ イラスト
岩瀬聡 装幀
小野寺優 発行者
株式会社河出書房新社 発行所