カエルのオスたちは繁殖時期になると、メスに選んでもらうためにしきりに鳴き始めます。
田んぼの近くを通ると、その大合唱を聞くことができますよね。
オスの喉には鳴のうと呼ばれている音を反響させる器官が発達しているため、あのような大きな鳴き声を出すことができるのです。
つまり、私たちが耳にする大合唱はオスたちの大合唱というわけですね。
鳴のうは喉元にある膨らむ部分のことです。
そして、今回ご紹介する科学ニュースはそんなカエルの鳴き声に関するニュース。
筑波大学の合原一究博士らの研究によると、カエルの鳴き方を無線ネットワークの送受信に応用することで、機器の電力消費を節約し、通信ネットワークの性能が向上する可能性があるそうです。
生き物はすごい!
1.二ホンアマガエル
今回、博士らが実験に用いたのは二ホンアマガエル。
二ホンアマガエルは日本はもちろん、朝鮮半島~中国東部にまで生息し、体長は2~4.5センチほどの小さなカエルです。
皮膚はつるつるの粘膜に覆われており、実はこの粘膜からは毒が分泌されています。
普通に触る分には問題ないのですが、傷口に入ると激しい痛みを引き起こす可能性があり、触った手で目などを擦るとひどい場合には失明する危険性もあるので注意が必要なのです。
また、周りの環境によってホルモンを分泌し、色素細胞を拡張、伸縮することで、色を変えることができます。
見かけによらずといった能力を持っていますよね。
2.筑波大学の研究
筑波大学の合原一究博士らは、二ホンアマガエルの雄3匹を実験に使用しました。
その実験内容とは、3匹のカエルたちをそれぞれ箱に入れ、50センチずつ離し、鳴き声を録音し調べるというもの。
結果は、それぞれの1秒間に約3回の鳴き声が、互いにずれているということが分かりました。
また、3匹は同時に1分間鳴き、3分間休むというサイクルを繰り返しており、これを無線ネットワークに利用することで、円滑に送受信を行ることがわかったのです。
カエルの鳴き声をまねることで、電力消費が実現し、通信ネットワークの性能を向上させれるかもしれないということが明らかになりました。
生き物をお手本にすることで、私たちの生活がもっと豊かになっていくかもしれませんね。
3.さいごに
夏にアマガエルの鳴き声を聞くのが楽しみになってきたのではないでしょうか?
ぜひ、自分でもどんな風に鳴いているのかな?という風に観察してみて下さい。
十分自由研究の題材になりそうですよね。
また、このブログでは生き物たちはとてもすごいんだということを紹介してきていますが、これからもどんどんそのようなことを紹介していければと思います。
生き物たちがこの地球で生き残るために生み出した技術は、人間が思いつくことを遥かに超えたものばかりです。
生き物はやっぱり面白い!
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