今回のテーマは皆様大好き『ドライアイス』です!
子供のころアイスやケーキを買った時に付いてきたたドライアイスがめちゃくちゃ好きで、よくシンクいっぱいに白い煙を発生させたものです。
また、大学生になっても、実験で余ったドライアイスで遊んでました(笑)
みなさんも恐らく、そんな経験があるのではないでしょうか?
そんなドライアイスですが、よく考えるともくもくと白い煙がでてきています。この白い煙の正体は何なのでしょうか?
二酸化炭素は白い?いや、炭酸飲料から白い煙が出てきますか?出てきてるの見たことないですよね!
では、ドライアイスからでてくる気体は二酸化炭素なのに、なぜ白い煙が発生するのでしょうか?
今回はドライアイスのなぜについて、どのように作られているのか?というところから説明していきたいと思います。
1.ドライアイスの作り方
ドライアイスはご存知の通り二酸化炭素の塊、二酸化炭素の個体です。
常温、常圧では二酸化炭素は気体として存在しています。
では、どうやって常温常圧で気体の二酸化炭素を固めているのでしょうか?
その方法としてはまず、二酸化炭素に圧力をかけ冷やします。
二酸化炭素的は自由に動き回っていたけれど、抑えつけられた上に冷たくすることで、エネルギーも落ちていくということになります。
するとどうなるのか?気体だった二酸化炭素はまず液体になります。
その次がポイントで、なんと一気に大気圧に戻しちゃうのです。
もちろん大気圧では二酸化炭素は気体となるので一気に気化することになりますよね。
一度液体にしたのに、また気体に戻しちゃうんです。
いったいなぜなのでしょうか。もちろん理由があります。
大気圧に戻すことによって気化した二酸化炭素は周りの熱を奪うため、気体にならなかった二酸化炭素は凝固点を下回ることになり個体になるのです!
凝固点とは液体が個体になる温度。
ちょっとわかりにくいという方のためにもう少し簡単に説明しましょう。
空気中へと解き放たれた二酸化炭素たちは、仲間の二酸化炭素のエネルギーを奪うことで解き放たれていったということです。
つまり、気体になるやつとエネルギーを奪われて個体になってしまうやつが出てくるのです。
活発な二酸化炭素と、エネルギーを奪われた可愛そうな二酸化炭素がいるんですね(笑)
この奪われる熱のことを気化熱と言います。
気化熱を身近なところで感じるにはアルコールを手にかけでみてください。
ひんやりししますよね。これはアルコールが気体となり、皮膚の熱を奪うからです。
まさにこれと同じです!
そしてこの可愛そうな二酸化炭素たちが集まり個体となった粉末を、圧縮して固めたものが私たちが目にするドライアイスなのです。
このドライアイスはご存知の通り常温・常圧では液体にはならず、一気に二酸化炭素の気体になります。
また、ドライアイスのように個体から気体に一気に変わることを「昇華」とよんでいます。
2.ドライアイスを水に入れると
ドライアイスを水に入れるとたくさんの白い煙が出てきます。
それはいったいなぜなのでしょうか?
二酸化炭素は白くないのに、何か恐ろしいものがでているのか?
いえいえ、そんなことはありません!実はその白い煙の正体は『水や氷の粒』です。
ドライアイスの温度は-79度、恐ろしく低い温度ですよね。
水が氷になる温度を思い出してください!
それはすなわち0℃。
つまり、ドライアイスは水が氷に変わる温度よりもドライアイスははるかに低い温度なのです。
このドライアイスが水に入ると二酸化炭素が出てきます。すると水中では二酸化炭素の気泡となります。
また、同時に温度がもの凄く低いので、気泡の中で水が氷に変わるのです。
そのため、二酸化炭素の気泡の中には小さな氷の粒とその粒が溶けた小さな水の粒がたくさんできます。
そして、この気泡が水面に上がってくると、この二つの粒が空気中に出てきます。
もうおわかりになったと思います!
出てきた小さな氷の粒と小さな水の粒に光が当たり、散乱することで白くなるのです。
そう!
これが白い煙の正体というわけなんですね。
まさしく雲が白い理由と同じです。
また、普通においていても白い煙が出てきているのは、空気中の水蒸気を小さな氷の粒と水の粒に変えているというわけです。
空気中よりも水中の方が水がたくさんあるので、たくさん煙は出てくるというわけ。
寒い日に、息は白くなりますよね?これは口の中の水蒸気が冷やされ、小さな水の粒となって白く見えるのです。
ドライアイスの煙も実はこれと同じなんです。
白い煙も白い息もすぐ消えてしまうのは、小さな氷と水の粒なので、すぐに水蒸気になってしまうからなのです。
また、ドライアイスの表面を氷が覆ってしまうと、ドライアイスは二酸化炭素になれません。
お湯を使うと水よりも白い煙を出せるのは、温度が高いのでドライアイスの表面が氷で覆われにくいからです。
ドライアイスでたくさん白い煙を出したいときは、お湯を使いましょう!
3.ドライアイスに洗剤
私は学生時代、研究室で余ったドライアイスで遊んでいたのですが、その中でも面白かったことを紹介します。
ドライアイスを水につけ、洗剤をいれるのです!
すると、煙が入った沢山のあわがぼこぼこと発生してきます!
洗剤が入っているので、普通は割れる気泡が、割れずにどんどんふえてくるのです!
泡をつっつくと白い煙が中からでてきます。
なかなかの光景ですよ。
これは洗剤、つまり界面活性剤の特性を活かしています!
洗剤を入れることで水の表面張力が下がるので、気泡がつぶれにくくなるんです。
表面張力については↓を読んでみてください。
ぜひ洗剤にドライアイス、やってみてください!
4.さいごに
ドライアイスはアイスなどを買ったり、スーパーなどでもらえるので非常に身近な存在、いろんな実験を思い浮かばさせてくれるかもしれません。
しかし、危険なこともあるので注意が必要です。
例えば、ドライアイスをペットボトルに入れて、蓋を閉めてしまうと大変なことになります。
ドライアイスからたくさんの二酸化炭素が気化してくるので、ペットボトル内に収まりきらなくなります。
個体よりも気体は一気に体積が増えますからね。
つまり、ペットボトルの中の圧力がどんどん大きくなっていき、丈夫なペットボトルをも破壊してしまうのです。
とても危険ですよね?
また、ドライアイスは非常に低温です。素手で触るのはとっても危険!
凍傷と言って、皮膚の細胞が凍ってしまうので注意が必要です。
低温火傷なんかと言われますが、現象はまったく異なります。
熱いものを触った時に痛いと感じるのと同じような痛さを感じると思いますが、これは、体が冷たすぎたり、熱すぎたりするものから、体を守ろうと働く痛点が同じだからです。
だからドライアイスを触っても火傷と同じような痛みを感じるわけですね。
このように危険もたくさんあるので、安全に注意し、ドライアイスでいろいろな実験をしてみてください。
【雲が白く見える理由】