皆様コーヒーはお好きでしょうか?
朝すっきりしたい時に飲んだり、眠くなった時にコーヒーを良く飲む方も多いかと思います。
では、なぜコーヒーを飲むと眠気が覚めるのだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
今回はコーヒーが眠気を覚ましてくれる理由を解説していこうと思います。
1.カフェイン
カフェインは窒素化合物の一種であり、
昇華性を持ち、煎茶などを用いて結晶を観察することもできます。(実験動画は記事の最後にて)
コーヒーだけではなく、緑茶、ウーロン茶、紅茶などにも含まれており、医薬品としては鎮痛剤などにも利用されています。
カフェインは今から約200年前の1819年、ドイツの化学者フリードリープ・ルンゲがコーヒー豆より取り出すことに成功し命名されました。
そして、その後様々な実験によって眠気や興奮をもたらすのはカフェインであるということが明らかになったのです。
また、カフェインはコーヒーの実だけではなく葉にも含まれており、土壌中に溶けだすことによって他の植物が生えることを阻害するだけではなく、昆虫などにとっても毒としても働きます。
2.眠くなるのはどうして?
脳には他の神経細胞の働きを抑える抑制ニューロンがあります。
この抑制ニューロンの表面には神経伝達の1つであるドーパミンが結合できるドーパミン受容体とアデノシンという化学物質と結合するアデノシン受容体があるのです。
そして、この受容体にそれぞれの物質が結合することで眠くなったり眠くならなかったりします。
もし、ドーパミンが受容体に結合すると抑制ニューロンの働きは抑えられ、眠くなりません。起きている時に眠くならないのは下図のようにドーパミンが受容体に結合しているからです。
逆に疲れてくるとアデノシンが分泌され、アデノシンが受容体に結合し、ドーパミンの働きを阻害します。
つまり抑制ニューロンが働くことになり、私たちは眠くなるのです。
3.コーヒーはなぜ眠気を覚ますのか?
では、本題に入っていきましょう。なぜ、コーヒーを飲むと眠気が覚めるのか?
実はコーヒーに含まれるカフェインがアデノシンに形が似ていることがポイントになります。
上に示したのがアデノシンの構造です。右上の部分をよく見てください。確かにカフェインと似ていますね。
では、形が似ているとなぜ、眠気を覚めさせることができるのかと言いますと、アデノシンの代わりにアデノシン受容体に結合し、アデノシンの邪魔をするのです。
カフェインはアデノシンよりもアデノシン受容体に結合しやすいので、このようなことが起こります。
つまり、カフェインは抑制ニューロンを抑制させる働きをするので、眠気を防ぎ、集中力を高めることができるのです。
4.カフェインの働き
カフェインは脳内で抑制ニューロンを抑制するだけではありません。体中で働いています。
例えば腎臓では、アデノシンが血管を収縮させる働きをしていますが、カフェインはそれを抑制するので血管の拡張させます。
その結果、尿意をもよおしやすくなるのです。
また、カフェインは良い面だけではありません。
飲みすぎてしまうとカフェイン中毒を引き起こしてしまう可能性もあります。
カフェインを飲んで眠気が覚めたとしても身体が回復していうるわけではないので、無理は禁物です。
5.さいごに
どうしても仕事をしているとコーヒーに頼ってしまいがちですが、しっかりとカフェインがどうして眠気を覚ますのかを理解し、無理しすぎないことが大切だということですね。
煎茶を使ってカフェインの結晶を観察しているのでぜひ見てみてください⇩