普通、暑い部屋は嫌いですよね。
特に空調の効いていない夏の暑い部屋は、気分が悪くなるし、やる気も低下、だらけてしまいますよね。
しかし、暑くても嬉しい部屋もあります。
銭湯や温泉に行くと、だいたいその部屋があるんですが、その部屋があれば、夏の暑い部屋とは違い、テンションが上がります。
そうです。
サウナです!
サウナに入ってから、水風呂に入る。
そのコンボを繰り返すのは本当に気持ちいいですよね。
サウナに入っていると自分を追い込んで、悪いものが体の中から出て行ってくれるような感覚、じわじわと汗が染み出てくる感じがたまらなく好きです。
そこでなんですが、疑問を持つ方がおられるのではないでしょうか。
サウナの温度はだいたい100℃前後もありますが、もし、100℃の水の中に手を突っ込んだらどうなるでしょうか。
間違いなく、突っ込んだ手はすぐに火傷してしまいますよね。
では、なぜ100℃のサウナでは火傷しないのでしょうか?
不思議に思いませんか?
それは、サウナの湿度が低く、人は汗をかきやすくなっており、また、空気は水よりも温度を伝えにくいということに関係しています。
このような理由で100℃もあるサウナで、火傷しなくて済むのですが、いったいどういうことなのか?解説していきたいと思います。
1.湿度が低い・空気は熱を伝えにくい
サウナは普通よりも湿度が低くなっています。
なぜなら、もし、湿度が高かったら火傷してしまうからです。
日本の夏を想像してみてください。
じめじめして湿度が高く、べたつくような暑さ。
湿度が高いと気温が同じでも、人は暑く感じてしまいますよね。
実は、このように暑く感じるのには2つの理由があります。
1つは、空気は水よりも熱を伝えにくいということです。
熱を持っているということはエネルギーを持っていることになります。
つまり、水分子はエネルギーを持った状態で、震えていますよね。
水分子がたくさん集まり、密度が高い水に手を入れるということは、手の皮膚がたくさんの水分子に当たるということです。
水分子がたくさん当たるということは、それだけたくさんの熱が伝わるということになります。
一方で空気はどうでしょうか。
分子の密度は低く、皮膚に当たる分子も水の状態と比べれば少ないですよね。
つまり、水よりも空気は熱を伝えにくいということになります。
しかし、湿度が高くなり、水分子が空気中にも増えてきたとしましょう。
エネルギーを持つ水分子が増えるということは、それだけ皮膚に当たる水分子も増えるということになります。
その結果、人は湿度が高いと暑いと感じてしまうのです。
そして、もう1つの理由は、湿度が高いと汗が蒸発しにくいということです。
人は汗をかき、それが蒸発することで体温を調節しています。
汗が気体に変わるために熱を周りから奪うためです。
このように奪われる熱のことを気化熱と言いますが、アルコールなどを想像するとわかりやすいかもしれません。
アルコールはすぐに気体になってくれるので、手にかけるとヒンヤリしますよね。
これもアルコールが気体となるために手から熱を奪っているからです。
もしも湿度が高く、汗が蒸発してくれなければ、熱をなかなか奪ってくれないということになりますよね。
だから、暑いと感じてしまうのです。
例えば、サウナで温められている熱い石に水をかけると、とても暑くなりますよね。
これこそ湿度が上がるから熱いと感じてしまうというわけです。
それでは、ここまでをまとめてみましょう。
・湿度が上がると空気中の水分子が増え、体に当たる水分子が増えるために暑いとかんじてしまう。
・また、湿度が高いと、汗をかきにくく、気化熱が奪われにくくなってしまうと暑く感じるということになります。
2.空気の層が体を覆う
サウナが暑くないのは湿度が低いということ、そして空気は水よりも熱を伝えにくいということが何となくお分かりいただけたかと思います。
しかし、実はこれだけではありません。
サウナでは私たちの体を体温で冷やされた空気が体を覆っているのです。
どういうことかと言いますと、熱を持った空気は体に当たっていきますよね。
すると、体に熱が移り、空気は冷まされるということになります。
冷まされた空気は体の表面で層となり、暑い空気から体を守ることになるのです。
もし、体を動かせば、体を覆ってくれている空気のそうが無くなってしまうので、暑いと感じます。
皆さんも立ち上がったり、出ようとしたときに暑いなと感じたことがあるとおもいますが、まさしくこれが原因だということです。
つまり、サウナではダンスなどの激しい動きはしてはいけませんね!
3.さいごに
100℃の水では火傷するのに100℃のサウナでは火傷しない。
これって結構不思議なことだと思うのですが、皆様はどうでしょうか。
不思議なことって身の回りにはたくさんあります。
また、次にサウナに入った時にこのことを話し、暑さから気を紛らわせ、いつもより長い時間入ることができるかもしれませんね。
しかし、入りすぎると脱水症状の危険がありますので、無理は禁物ですね!
理由を知って、さらにサウナを楽しみましょう!