当たり前と考えられていることは時に真実であるとはかぎりません。例えば、蝉は羽化して成虫になると、2週間ほどの命しか無いと長年言い伝えられていました。しかし、それは大きな異なりであり、実は1ヶ月以上生きる個体も確認されているそうです。
そんな当たり前に疑問を抱き、己の探求心に身を任せ、凄まじい行動力で実験した人たちのことが描かれているのが今回ご紹介する『自分の体で実験したい』
中には自らの命をかけて実験し、多くの人々を救った人たちもいます。
自分の体で実験することは本当に良いことなのか?というところには答えは無いかもしれませんが、間違いなく彼らがいたからこそ、今の安全や安心が作られているというのは事実です。
ぜひ、皆様もこの本を読んで、今ある当たり前に疑問を抱き、自分にできることは何かないか?と考えてみてはいかがでしょうか。
実験は大学や企業の研究室や最新鋭の測定器を使う物ことだけではありません。身近な疑問に対して自分の考えたことを試していくのが実験ですよ。
本を読んでみて……
本当に面白かった!最近読んだ中では一番面白かったんじゃないかと思います。ストーリー性があって、子供でも読みやすい本なので超おすすめの一冊。
時には馬鹿にされたとしても自分を信じ、貫くことがとても大切なんだなと改めて思わされましたね。
また、この本以外にもたくさん自分の体を使って実験してきた人はいます。そんな人達についてももっともっと知りたくなりました。
私が特にこの本を読んで印象に残ったのは第2章の袋も骨も筒も飲み込んだ男です。人の消化がどのように行われているかを突き止めるため、自ら色んなものを飲み込んでは出し、またその出したものを飲み込むという、、、、、
その探求心は本当にすごいなと感心させられますよね。この実験ならば私でもできるし、少しやってみたいなと思わされるところがまた印象的でした。
あと好きなお話は第1章のあぶり焼きになった英国紳士たちです。これはタイトルのネーミングセンスも抜群だし、何よりも内容が面白い。
人間が何度まで耐えられるのか?という疑問を抱き、英国紳士たちが熱された小部屋に入っていくんですが、まさに今では当たり前の知識が実際に実験を通して分かっていくところが良いですね。
本の詳細
『自分の体で実験したい』
著者 レスリー・デンディ、メル・ボーリング
訳者 梶山あゆみ
2007年2月17日 第一刷発行
発行所 紀伊国屋書店