2022年12月3日、奈良先端科学技術大の細川陽一郎教授とワトソン株式会社のご協力のもと、実験教室に通って下さっている方と生駒の小学校に通っている方を対象に奈良先端科学技術大学ツアーを開催いたしました。
大学へ子供たちを連れていくツアーをずっと開催したいと思っていましたが、現在実験教室やサイエンスショー、インタビューなどを一人でやり繰りしているため、これまでなかなか実現しませんでした。
しかし、ワトソン株式会社の土原さんにインタビューをしていただいたことをきっかけに話が進み、ご協力いただけることになったのです。
ただ、どこの大学にお願いすれば良いか?という問題がありました。そこで以前、インタビューをさせていただいたのをきっかけにお仕事をいただいたりと、とても良くしてくださっている奈良先端科学技術大学の細川先生にお願いしよう!ということですぐに電話をしたわけです。
すると細川先生は快く引き受けて下さり、大学の広報の方へもいろいろとお話を通してくださいました。ただ、これまで奈良先端科学技術大学では、自分たちが開催するオープンキャンパスなどの経験はありましたが、企業や実験教室が主催の大学ツアーを受け入れたことが無いということで、実現するかどうかはまだこの段階ではわかりませんでした。
しかし、その後も細川先生が根気よく進めて下さり、何度かミーティングをした後、この会の実現が決定したのです。細川先生、本当にありがとうございます。
では、ここからはツアー当日の様子をまとめていきたいと思います。
奈良先端科学技術大学 生体プロセス工学研究室
奈良先端科学技術大学は私が活動の拠点としている生駒市にある国立大学。
奈良先端科学技術大学の特徴は大学院しか無いということです。つまり、学部生がおらず、皆様がイメージする大学とは少し異なります。
情報科学領域、バイオサイエンス領域、物質創成科学領域の3つの領域に分かれており、細川先生は物質創成科学領域に属されており、先生はフェムト秒レーザーを使用して様々な細胞を加工する研究をしています。
詳しい説明はくもMLABをご覧ください↓
そして、今は大学探索ツアーということで、普段見ることができない実験室や学生さんたちが過ごしている居室なども見ることができる会となりました。
私たちの目には赤と青と緑の光を食べる分子がある!
イベントの当日の朝、物質創成科学領域棟はまだ開いておらず、待ち合わせ時間の30分以上前である10時半についた私は寒空の下で皆さんを待つ覚悟をしておりました。
しかし、たまたま今回のツアーのお手伝いをしてくださることになっていた細川研究室の学生さんと出会うことができ、すんなり棟の中に入ることができました。とてもラッキー!
簡単に教授室で打ち合わせをした後、すぐに会場となる大講義室に向かいました。
大講義室はとても広々としており、小中高の教室とは全く違う雰囲気を参加者の皆様に味わっていただける場所でした。私も大学生のころはこのような大きな講義室で授業を受けたのが懐かしいです。
細川先生とオンラインで接続し、スクリーンの確認や音声の最終チェック、リハーサルなどを入念に行い、あとは参加者の皆様を待つだけです。
なぜ?細川先生はオンラインで接続?ということなのですが、実は細川先生が新型コロナウィルスの濃厚接触者となってしまい、検査で陰性の確認が取れていましたが、念には念をということで今回は残念ながらオンラインでの参戦となってしまいました。
その点は非常に悔しいですが、このご時世では仕方ないですね。。。
そうこうしている間に続々と参加者の皆様が集まってきました。
いつも実験教室に通ってくださっている方や、生駒の小学校でチラシを見てきてくださった方を合わせ、なんと、27組62名の方々に参加いただきました!こんなに大きな講義室の席もほとんど埋まっております。
そして、皆さんが集合したところでいよいよイベントの開始です。
まずは細川先生に光と色についての講義をしていただきました。
光のお話は中学校や高校ではあまり詳しいお話はされません。しかし、私たちの目が見えているのは光があるからですし、とっても大事なお話をしていただきました。
講義の中では皆さん分光シートを使って、光に隠れている色を見つけてもらったり、赤や青、緑のイメージなども確かめていきました。
また、私たちの目には赤と青と緑の色の光を食べる分子が存在するから色を認識することができるということも教えていただきました。
研究室ツアーと質問タイム
講義が終わった後は、いよいよお待ちかねの研究室ツアーです。普段立ち入ることができない最新の機械がたくさん揃っている実験室を案内してもらいました。
みなさん初めて見るすごい機械に目がキラキラです。中にはここの部屋で研究するにはどうすれば良いですか?という質問をしてくれる子もいました。
ツアーの合間には光の波長を測定し、説明してもらったり、色合わせの実験ができるコマにも挑戦してもらいました。
初めて見る吸光度計に興味津々です。
蛍光ペンで塗ったコマは回すと白色に見えました。
そして、最後は細川研究室の皆様に質問タイム!一番苦労した経験は?一番うれしかった経験は?など時間いっぱい子供たちは質問をしてくれました。
主催者として子供たちから質問が出なかったらどうしようと事前に質問をいろいろと用意していたのですが、まったく必要なくて一安心です。
さいごに
皆で集合写真を撮って解散しました。皆さんとっても楽しそうに帰ってくださって本当に良かったです。
今回、なんと細川研究室のヤシャ先生がみんなにキーホルダーのプレゼントも用意して下さっており、それにもとても喜んでくれていました。
私は普段子供たちに実験を教えていますが、もっともっとプロの研究者の皆様と子供たちの交流の場というのを作っていければと思っております。
やはり、子供のうちに最先端の技術や研究に触れることは、将来研究者にならないとしてもとても良い経験になると考えております。
第一回ということでなかなかうまくいかないこともありましたが、細川先生、参加者の皆様、そして細川研究室の皆様、ワトソンの土原さん、本当にありがとうございました。