必ずと言っていいほど、〇〇君or〇〇さん血液型何型?
やっぱり!そう思った!というような会話をしたことがあると思います。
一時期、血液型占いというものが流行り、今でも本屋さんで多くの本を見つけることができますよね。
特に日本人は血液型関係のお話が好きです。
そんな血液型占いの中で、A型の人はB型とは合わないと言いますが、私(A型)の仲良くなる人のほとんどがB型の人です。
逆にA型の友達が少ないのです!なんでなんだろう、、、、、これだけは何故だか本当によくわかりません(笑)
と、そんなことは置いておいて、日本人の血液型の割合はご存知でしょうか?
約40%がA型、次いで多いのがO型で約30%、B型が約20%、AB型が約10%という割合になっています。
では、世界をみるとどうでしょうか。
世界全体でみるとO型が一番多く、45%の方がO型なのです。
その次に多いのがA型で40%、B型11%、AB型は4%となっています。
AB型の人!世界の4%ですよ!何だか嬉しくないですか!?
国によってその比率は大きく変わってきますが、これもまた不思議ですよね!
世界の血液型について興味がある方はもっと詳しく調べてみてください!
話がだいぶ脱線してしまいましたが、当記事のテーマである『そもそも血液型とは何が違うのか?』に入りましょう!
今回は血液の成分から解説していきます。
1.血液の成分
まず、血液型の話に入る前に血液の成分について説明していきます。
血液は、大まかに分けて以下の4つの成分で構成されているのです。
赤血球:酸素を運ぶ役割を担っている。
白血球:体に侵入してきた敵をやっつける免疫を担っている。
血小板:傷ついたところに集合して傷口をふさぎ、止血する。
血しょう:液性で90%は水分でできている。
このようにそれぞれに役割がある成分からできており、血液はポンプの役割を担う心臓によって全身に行き渡ることになります。
そして、酸素を運んだり、体の恒常性、つまり、体温を保ったり、外敵から体を守る(免疫)、傷口をふさぐなど、生きるために重要な役割をしてくれているのです。
では、血液型の違いはこの成分のどの部分にあるのでしょうか?
その答えは『赤血球』です!
2.赤血球の表面
血液型の違いは赤血球の表面にあります。
赤血球の表面にはなんと、約100万個の「糖タンパク質」がついているのです。
そして血液型はこの糖分の中にどんな『抗原』が含まれているのかによって区別されることになります。
ちなみに抗原とは簡単に言えば、体にとっての外敵のことです。
では、血液型の具体的な話に持っていきましょう。
簡単にそれぞれの血液型をまとめると以下のようになります。
A型:A型の抗原を持つ。
B型:B型の抗原を持つ。
O型:A、B型どちらの抗原も持たない。
AB型:AとB型両方の抗原を持っている。
このように赤血球表面にある、それぞれの持つ抗原によって血液型が決まっているのです!
まさに、これが血液型が決まる理由です。
ん?
抗原つまり自分と同じ外敵(A型だとA型の抗原)を持っている?
どういうことだ?と思うかもしれません。
ここで違う型の血液を輸血するとダメな理由を説明すればだんだんわかってくるんじゃないかと思います。
3.間違った血液型を輸血できない理由
『抗体』といって免疫には欠かせない存在がいます。
この抗体は自己、非自己を認識し、非自己を排除してくれるのです。
つまり、外からやってきた敵(抗原)は排除して、自分の物であれば排除されません。
体を守ってくれる抗体もアレルギー反応ではこいつが逆に厄介なんですが、、、、また別の時にお話しましょう。
先ほど、赤血球はそれぞれの抗原を持ち、その抗原によって血液型が決まっていると言いましたよね。
もし、A型の人にB型の血液を輸血したとします。
B型はB型の抗原を持っていますよね。
すると、B型の抗原を持たないA型の人の体に入ると、外敵がきた!と認識されてしまうのです!
自分の持っている抗原(A)と違う抗原(B)が入ってきたわけですから、抗体が体を守ろうとして、血液が固まってしまうというわけなんですね。
他の場合も同じです。
B型の人にA型の人とAB型の人の血液を入れると固まってしまいます。
しかし、O型の人の血液は抗原を持たないので、どの型の人に入れても大丈夫です。
AB型の人は、AとB型の両方の抗原を持っているので、何でも受け入れることができますよね。
反対に、O型の人は誰の抗原も持っていないので、O型の人以外の血液をすべて敵とみなしてしまうわけです。
つまり、自分の抗原は見方で、自分の持っていない抗原は敵ということになります。
何となくでも血液型の分け方がわかっていただけたのではないでしょうか?
4.Rh式血液型
今ご説明したのが、ABO式血液型というものです。
これは拒否反応を起こさないために重要な識別なのですが、より安全な輸血のために現在はもっと沢山の識別方法も用いて輸血しています。
ABO式血液型は赤血球の表面で決まるといいましたが、血液に含まれる酵素にも人それぞれ違いがあるので、それに関しても細かく分類されています。
実はその種類には沢山ありすぎて(なんと150種類以上)ここでは紹介しきれません。
そこで、その中でも最も代表的な『Rh血液型』をご紹介したいと思います。
有名なので名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?
Rh式血液型とは、血液にある『D抗原』があるか、無いかで判断されます。
D抗原を持っていればRhプラスで、持っていなければRhマイナスとなります。
なんと、ABO式血液型は合っていても、このD抗原を持っているか持っていないかでも、血液が固まってしまうことがあるということです!
そのため、輸血ではRh式血液型もきちんと検査されています。
ちなみに雑学として、Rhは実験に使用されていた、アカケザルの英名rhesus macaque の頭文字をとってつけられています。
なんにせよ、血液はこのように人の持つ抗原によって決まっているということですね!
5.輸血について
血液は始めに4つの成分で構成されていると言いました。
実は輸血する時、これらをそのまま相手の体に入れるわけではありません。
大概の場合は成分を分けて使い分けているのです。
もちろん、大きな手術や大量出血してしまった場合は、全血製剤と言って分けていない物を輸血しますが、多くの場合白血球は寿命が短い、そして輸血相手を攻撃してしまうということからフィルターで除かれます。
また、フィルターで白血球が除かれた後、遠心分離機によって密度の違いに応じて赤血球製剤、血小板製剤、血しょう製剤に分けられ、場合によって使い分けられるのです。
ここで、ふとこんなことを思う方が居られるかもしれません。
なぜ、いつも血液が不足しているのか?
実は輸血用の血液は使用期限が設けられており、全血製剤と赤血球製剤は21日間、血小板製剤は4日間、血しょう製剤は1年間と絶えず献血を行わなければ、無くなってしまうというわけなんですね。
6.血液型不適合妊娠
血液型が違うと敵とみなし、抗体が排除しようとします。
その結果、血液が固まって障害が起きてしまうということは、お分かりいただけたのではないかと思います。
これと同じ現象で、『血液型不適合妊娠』というものがあります。
この血液型不適合妊娠は、赤ちゃんがお母さんと違う血液型の場合、問題が起きてしまうのです。
例えば、母親はA型で子供はB型であれば、母と子の持っている抗原がそれぞれ違いますよね?
そうなってくると、赤ちゃんに影響が出てしまうことがあります。
あくまで可能性があるですけど。
そして、A型、B型よりもRhの違いが症状を重症化させる可能性があります。
しかし、これは抗D抗体を打つことで、この現象を食い止めることができます。
つまり、D抗原に対する抗体に対する抗体を打ち、抗体の働きを食い止めるのです。
そうすれば安心ですよね!
7.さいごに
A型だと几帳面だ!みたいな理由は科学的根拠がないので私には正直それが正しいのかどうかはわかりません。
昔からあるお話ですが、もし、それが科学的にも本当なら血液型で選抜された軍隊とかもありそうですが、それは無いので、現在は証明されていないと言えます。
こんなに日本では血液型占いが盛んなわけですが、外国では日本みたいに血液型で盛り上がることは稀だそう。
しかし、今言い切れる大切なことがあります。
それは、血液型はとても大事だということです。
自分の血液型をきちんと知っておくことは、自分の身を守ることにもつながります。
さらには、相手の身、赤ちゃんなどの身も守ることができます。
きちんと自分の血液型を検査して、知っておいた方が良いと思います。
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【4コマ劇場】AB型こそ慈愛に満ちた存在である!さくらの日常