どうも最近物理学にはまっているくもMです。
勉強しないといけないことが本当に多い!
日々勉強です。
そんで、教育というのは難しいですね。
子供にどうやってやる気を出させるか、勉強がどうすれば楽しくなるのか。
人それぞれすぎて本当に難しい。
最近はそういうことを色々と考えているわけです。
とまぁ今週も科学ニュースお届けしようと思います!
今週は『ES細胞』の話題です。
10月11日英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに『マウスのES細胞から唾液腺を再生した』という論文が掲載されました。
論文を投稿したのは昭和大学の美島健二教授、理化学研究所・生命機能科学センターの辻孝チームリーダーらで、ES細胞やiPS細胞を用いて唾液腺の研究を行っている研究チームです。
今回発表された研究は将来的にiPS細胞への応用が期待され、近年増加傾向にあるドライマウスの患者の治療へ繋げていければということです。
ということで今回はES細胞とは?ドライマウスとは?から今回の研究について簡単に紹介していこうと思います。
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ES細胞
ES細胞とは日本語では胚性幹細胞で、『embryonic stem cells』の略です。
このES細胞は受精卵が胚盤胞と呼ばれる段階まで発生したところで取り出しフィーダー細胞と一緒に培養することで作製されます。
理論上は全ての組織に分化することができる細胞で、分化多能性を持っています。
では、ほぼすべての組織に分化させることができる万能の細胞であるため、医療現場で活躍しているのでは?と思われるかもしれませんが、受精卵を用いるために倫理問題が大きいのです。
受精卵は人になる存在であり、もうすでに命であると考えられますからね。
そのため、現在は体細胞から作成される倫理問題の少ないiPS細胞の方が盛んに研究されているというわけです。
それでもなぜES細胞を使用した研究がされているのかというと、まだまだ未知のことが多い研究分野であるため、iPS細胞とES細胞を比較し研究することが必須なのです。
ドライマウス
唾液腺は外分泌組織であり、口腔内に唾液を分泌する組織です。
そして、唾液腺から分泌される唾液には消化作用、抗菌作用だけではなく口腔粘膜の保護作用などの口内環境を維持するのに受容な役割があります。
もし、唾液腺に異常があって唾液の分泌量が少なくなってしまうと、口の中が乾燥し口内環境を維持することができません。
まさにそれこそが『ドライマウス』というわけなんですね。
ストレスや更年期障害、口呼吸、薬の副作用などの複合的な原因によって引き起こされると考えられており、発症してしまうと歯周病や感染症を引き起こす危険がある危険な病気なのです。
また、自己免疫疾患で引き起こされる難病のシェーグレン症候群でも同様のドライマウスになってしまいます。
シェーグレン症候群では唾液の分泌を促進する薬が処方されますが、それでも現在、保湿ジェルなどの症状を緩和する対処療法しかありません。
マウスのES細胞から唾液腺を再生
いよいよ本題、今回の研究について説明していきます。
研究グループらは唾液腺発生過程の解析から唾液腺の元となる「唾液腺源基」の形成に必要な2つの遺伝子「Sox9, Foxc1」を同定しました。
次にマウスES細胞から誘導した口腔粘膜上皮にこの2つの遺伝子を共発現させることによって、「唾液腺源基」を作製することに成功したのです。
そして、この「唾液腺源基」を唾液腺を切除したマウスへと移植すると、残っていた唾液腺の導管と接続し、唾液腺が再生されたわけなんですね。
移植されたマウスは通常通り唾液を分泌することができ、ES細胞を使用し唾液腺の再生に成功したというわけです。
今後、iPS細胞でも唾液腺の再生に成功することができれば、いよいよ人への応用も期待されます。
ストレス社会で増えるドライマウスもそうなんですが、自己免疫疾患で引き起こされる難病のシェーグレン症候群が完全に治療される時代が来て欲しいですね!
さいごに
今回の科学ニュースは以上となります。
皆様もドライマウスには気を付けて下さい。
もし、最近口の中が乾燥しているなと感じるのであれば、お医者さんに診てもらいましょう。
気温も下がり季節の変わり目、風邪をひかないように気を付けて下さい!
それではまた来週!