ホタルの光はなんだか暖かく、見ていると落ち着く感じがしますよね。
そんなホタルですが、都市開発や環境汚染など様々な要因で見れる場所も限られてしまっています。
昔は私の近所の川にもたくさんいたそんなんですが、今は遠い存在となってしまっているのではないでしょうか。
そんなホタルたちが放つ美しい光がどのようにして起こっているのか?今回は解説していきましょう。
1.ホタル
ホタルといえばゲンジボタルが有名ですが、日本にはなんと約40種類ののホタルがいると言われています。
40種類って結構いますよね。
ただ、40種類すべてが飛び回り光るわけではありません。
40種類のうち成虫が光るのは10種類ほどしかいないのです。
光る成虫は10種類ですが、卵や幼虫の時にはすべての種が発光します。
本当に不思議ですよね。
なぜ光るのか?
交尾のためであったり、敵を威嚇するためであったり、コミュニケーションをとるためであったりと様々な説があります。
その中にはなんと、他の種の光を真似し誘い出すことで、捕食してしまうなんていう種類もいます。
ホタルは決して人間を魅了するために光っているわけではありません(笑)
では、次にホタルはどうやって光っているのでしょうか?その仕組みについてみていきましょう。
2.ホタルの発光のしくみ
ホタルはおしりに発光器という光る器官をもっており、そこからあの幻想的な光を放ちます。
では、そこでは何がおこなわれているのでしょうか?
発光器では、発光基質であるルシフェリンが酵素であるルシフェラーゼの触媒作用により、生物のエネルギー通貨であるATPと反応します。
ここで生じる中間体がさらに酸素と反応することで、発行体であるオキシルシフェリンが生成されるのです。
このオキシルシフェリンはエネルギーが高い不安定な状態ですので、エネルギーを放出し、安定な状態へとなります。
この放出されたエネルギーこそがホタルの光。
また、この発光は冷光と呼ばれ、ほとんど熱を発しない発光です。
化学反応によって生まれたエネルギーは熱であったり、光であったりに変換されなければいけないのですが、このホタルの発光反応の場合ほとんどが光に変換されるというわけです。
なのでホタルのお尻は光っていても熱を帯びません。
熱が発生してたら大変なことになりますよね。自分の発光で自分を殺してしまうことになってしまいます。
出てきたエネルギーのほとんどを光に変えるというもの凄く効率の良い発光なのです。
生き物って本当にすごいですね!
3.生物発光
ホタルのように生物が光ることを生物発光と呼んでいます。
驚くべきことは光る生物のほとんどが海の生き物であるということ。
ホタル以外の光る生き物はGFPタンパク質(緑色蛍光タンパク質)で有名なオワンクラゲやホタルイカ、ウミホタルなんかが有名ですよね。
面白いことにこれらの生物はそれぞれのグループごとに独自のルシフェリンとルシフェラーゼを持っており、違う酵素、基質同士では光ることができません。
それぞれが独自に似たような形質を獲得した収斂進化の代表的な例であるとも考えられます。
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4.さいごに
夏の風物詩ともいわれるホタルの光。
そんなホタルを後世にも見てもらいたいですよね。
自然は大切にしていきましょう!
反応自体は違うものですが、化学発光といえば身近なところにケミカルライトがありますよね。
ぜひ、サイリウムを光らせる時は、ホタルを思い出してみてください。