有田焼の技術を応用した蓄光標識「ルナウェア」がすごい!

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※画像は「ルナウェア」ではありません。

今朝のモーニングショーで感動的であり、衝撃的な蓄光標識が紹介されていたので、急遽記事を書いてみました。

感動的であり、衝撃的な蓄光標識とは、コモドエナジー株式会社によって販売されている高輝度蓄光式避難誘導標識「ルナウェア」です!

従来の誘導標識はプラスチックでできており、電気が必要で、自身や火災などの災害時、いざという時に消えてしまったり、壊れてしまう可能性が高いことが問題点としてありました。

しかし、「ルナウェア」は蓄光顔料を使用しているため、まず電力がいりません。

更には有田焼の上塗りの技術を応用しているので、とても強度が高く、よく輝いてくれるのです。

現在、すでに横浜市営地下鉄では使用されており、災害時にも活躍が期待されます。

また、誘導標識以外にも、更なる応用が期待される商品であり、八景島シーパラダイスや小豆島の二十四の瞳映画村などでは、その輝きを楽しむために使用されているのです。

他にも、手すりに付ければ、暗くても階段の上り下りもできますよね。

今後、様々な用途が期待され、素晴らしい「ルナウェア」ですが、開発には大変な苦労があったそうです。

作成当初は、綺麗に蓄光顔料を塗ることができませんでした。

しかし、開発者である岩本泰典氏は、失敗した原因を突き止め、工夫をし、何年もかけて、何万パターンも試し、この「ルナウェア」の開発に成功されました。

諦めることは簡単にできても、困難なことを成功させるのは難しく、諦めずに成功させた岩本氏は本当に素晴らしいですよね!

今回は蓄光顔料について、そして「ルナウェア」についてもう少し深堀していこうと思います。

1.蓄光顔料

「ルナウェア」に使用されているそもそも蓄光顔料とは何なのか?

蓄光顔料とは光を吸収し、光を放つ顔料です。

身近なところでは、暗闇で光る時計の文字盤などに使用されており、現在では、アルミン酸ストロンチウムが含まれている蓄光顔料が主流となっています。

しかし、かつては放射性物質を含む蓄光顔料が使用されていたのです。

1900年初めに開発された蓄光顔料には放射性物質であるラジウムが含まれており、ラジウムが放つ放射線を利用し、光っていました。

ですが、放射性物質の危険性や安全性について問われるようになり、放射性物質を含む蓄光顔料は使用されなくなったというわけです。

アルミン酸ストロンチウムが使用されている現在の主流の蓄光顔料は、従来の物よりも10倍近く輝度が高く、残光時間が長いのも特徴です。

つまり、現在使用されている蓄光顔料は、安全かつ、性能が良いということですね!

では、なぜ、蓄光顔料は光を吸収し、光を放つことができるのか?もう少し詳しく説明していきます。

2.励起状態と基底状態

光があたると、蓄光顔料にはどのようなことが起こるのでしょうか。

蓄光顔料を構成している分子に光がやってきます。

光がやってくるということはエネルギーがやってくるということですよね。

すると、分子の持つ電子が、安定して周っている軌道から外れて、エネルギーが高い状態になるのです。

この状態を励起状態と呼んでいます。

励起状態はずっと続くわけではなく、安定した元の状態に戻ろうとするのです。

安定した元の状態は基底状態と言い、励起状態と基底状態には、エネルギーの差が生まれますよね。

このエネルギーの差が、光となって放出され、蓄光顔料は光ることができるのです。

「ルナウェア」はこのような原理で光る蓄光顔料使用することで、電気を使わなくても光ることができるというわけですね。

3.ルナウェア

「ルナウェア」がどれだけ光り、その輝きを保つことができるのか?

大体日没前の30~60分くらいの紫外線量である、紫外線強度400μw/cm²の光を60分間照射したところ、12時間後でもしっかりと文字を読める光を放ち続けていたそうです。

電気いらずで、長い時間、しっかりと光ってくれるのはとてもありがたいですよね。

また、「ルナウェア」は蓄光顔料を上にただ塗ったものではなく、有田焼の上塗りの技術を応用し、蓄光顔料をガラスコーティングしているのです。

その結果、水がかかった場合だけでなく、空気中の水分に加水分解されることなく、半永久的に、光ることができます。

初期投資は高くても、長く使える上に、電力がかからないため、将来的にみると確実に安いことがわかりますよね。

また、「ルナウェア」は耐久水性、耐凍害性、耐薬品性など、強度がとても高く、誘導標識以外にも、様々な場面での活躍が期待されるのです。

今後、「ルナウェア」の光が、夜間の様々な観光地を照らし、盛り上げてくれるのも楽しみの1つですよね。

今後の更なる活躍に期待です!

4.さいごに

有田焼の伝統技術を使用しようと思ったところ、また、開発者の岩本泰典氏が何度も何年も失敗したにも関わらず、この技術が必ず役に立つと信じて、諦めずに成功させたことが本当にすごいですよね。

今後、今まで培ってきた伝統技術を応用した商品といったようなものが、他にももっとでてきそうで楽しみです!

伝統技術というような歴史があり、人が積み上げてきたものに、諦めず新たなことに向き合う現代の人の意志が加わることで、伝統技術の更なる進化が期待されます。

今回紹介した「ルナウェア」はまさにそのような商品であり、電気を使わないということで、環境にも優しいし、災害時などのいざという時にも大活躍するはずですので、とても素晴らしい技術であると思います。

今後、今回のような商品や技術を発見したり、見つけましたら、このブログで紹介させていただきたいと思います。

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