M78星雲と言えば、ウルトラマンの生まれ故郷として有名ですよね。
冬にかけてみえるオリオン座にあるこの星雲は日本では有名ですが、実は世界的にはそれほど有名ではないのです。
びっくりではないですか?今回はそんなM78星雲のお話をしようと思います。
M78星雲
オリオン座にはいくつも星雲があり、そのうちの1つがM78星雲です。
そもそもMとはどういう意味なのか?
このMは星雲状の天体リスト「メシエカタログ」を作成したフランスの天文学者、シャルル・メシエの頭文字からきています。
そして、M78星雲はこのカタログの78番目に加えられた星雲だからM78星雲なのです。
地球から約1350光年離れた場所にあり、約8等と明るい散光星雲であるため、双眼鏡や望遠鏡でも観測することができる星雲。
最近の研究では星雲の中には星団が生まれつつあるということがわかっており、近い将来、雲が晴れて星団の姿が見えると予想されています。
もちろん宇宙レベルでの近い将来なので、約100万年後くらい。
私たちが生きている間ではなさそうです。
M78星雲の意外な事実
日本では大変有名なこのM78星雲ですが、実は意外な事実があります。
それは、ウルトラマンの生まれ故郷は本当はM87星雲であるはずだったということです。
M87星雲はおとめ座銀河団の中心に位置する銀河であり、当時から強いX線や電波を放つことから非常に話題となっている銀河でした。
先日の2019年4月にブラックホールが初めて直接観測されたことで話題となりましたが、まさにこの銀河の超大質量ブラックホールです。
太陽の65億倍もの質量をもつこのブラックホールが強いX線や電波を生み出していると考えられています。
そういうこともあり、ウルトラマンの生まれ故郷はM87星雲となる予定でした。
しかし、台本の誤植によって、7と8がひっくり返りM78星雲となってしまったそうです。
こうして日本ではM78星雲がウルトラマンの生まれ故郷となり、とても有名な星雲になったと言われています。
さいごに
まさか台本の誤植で有名になったというのはびっくりですよね。
もし、M87星雲がウルトラマンの生まれ故郷となっていたらM78星雲を知る人はほとんどいなかったでしょうし、ブラックホールのニュースの時にはウルトラマンの文字がたくさん並んでいたかもしれませんね。
冬の夜空に輝くオリオン座。
見つけやすく、形もはっきりわかるため、とても好きな星座です。
また、このオリオン座のベテルギウスとおおいぬ座のシリウス、そしてこいぬ座のプロキオンは冬の大三角形と呼ばれていますよね。
ぜひ、皆様も見つけてみてください。
たまには人工的なイルミネーションではなく、星の美しさを見て癒され、M78星雲のことを考えてみてはいかがでしょうか。