車や船、バスなどに乗った時、乗り物酔いに襲われた経験はありますか?
私は乗り物酔いになったことがないのですが、特に船やバス酔いする人は多いかもしれません。
閉ざされた空間での、予測不可能な激しい揺れ。
普通の車に比べると、船やバスでは外がほとんど見えないので、かなりきつい思いをしてしまうかもしれません。
ではなぜ、私たちは車や船に乗ると酔ってしまうことがあるのでしょうか?
特に楽しい旅行中にできることなら酔いたくはないですよね。
実はこの乗り物酔いには、耳にある平衡感覚と、私たちの身体の活動を調整する自律神経が、大きく関わっているとされています。
今回はまず、その耳にある器官の説明からさせていただきます。
1.三半規管と耳石器
私たちは耳の奥にある器官によって平衡感覚を保っています。
その器官の1つが『三半規管』です。
三半規管の名前の由来ですが、チューブ状の半規管が3つあるので三半規管と呼ばれているのです。
また、この半規管はそれぞれが違った向きに約90度で傾いています。
このように違った方向に3つあることで、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のような3次元で動きを感じることができるというわけです。
では、なぜ三半規管は動きを感じ取ることができるのでしょうか?
この半規管の中には『リンパ液』という液体が入っています。
このリンパ液の動きを感知することができる細胞(有毛細胞)が、情報を脳へと伝えているのです。
つまり、三半規管のそれぞれに入っている液体の動きで、私たちは平衡感覚を感じることができていたんですね!
そして、耳には平衡感覚をつかさどるもう一つ大事な器官があります。
それが『耳石器』です。
この耳石器は三半規管の手前にあり、直線方向の動きを感知しています。
直進方向の動きとはつまり、前に進んだり、後ろにさがったり、上に上がったり、下に落ちたりということです。
では、この耳石器はどのようにして直線方向の動きを感じているのでしょうか?
この耳石器には名前の通り三半規管のような液体ではなく、炭酸カルシウムの結晶が入っています。
炭酸カルシウムの結晶の動きを、三半規管と同じく細胞が感じ取ることで、脳に情報を伝えているというわけです。
このように耳にある三半規管と耳石器のおかげで私たちは、平衡感覚を得ることができていたんですね!
では、なぜ乗り物酔いがこの耳の器官と乗り物酔いが関係しているのでしょうか?
2.どうして乗り物酔いになるの?
多くの方が船や車に乗ると乗り物酔いになってしまいます。
それはいったいなぜなんでしょうか?
乗り物に乗っていると私たちには予期せぬ動きが加わります。
突然動き出したり、止まったり、曲がったりなどの不規則な動きです。
自分で意識して動いているわけではないですもんね!
そして、このような予期していなかったり、不規則な動きが耳の器官に伝わると、もちろんその情報は脳へと伝えられます。
つまり、耳から来たこの情報と、目で見ている情報が違うとおかしくなってしまうのです。
おかしいな、目で見ているものと耳が感じているものは違うぞ!
その結果、ストレスを感じてしまい自律神経が乱れてしまうのです。
自律神経とは呼吸や消化などを調整してくれる神経のことを言います。
この自律神経が乱れてしまうと、軽い症状では、めまいやあくびが出るなどで済みますが、症状が悪化した場合には吐いてしまうこともあるのです。
つまり、乗り物酔いとはこういうことですよね。
乗り物に乗った時、不規則であったり予期せぬ動きが体には加わります。
その結果、脳に伝わってきた情報が目で見ているものとは違い、ストレスを感じてしまう。
ストレスのせいで自律神経が乱れてしまうので、体調に影響が出てくる!
かなり長くなってしまいましたが、とにかく乗り物酔いとは、目と耳の情報のズレによるストレスが原因です。
そのため、乗り物酔いは普段からストレスを感じやすい人であったり、体調が良くなければなりやすいのも納得がいきますよね。
乗り物酔いしやすい人はおそらく繊細なのでしょう。
また、運転手が酔いにくいのは目で見ているものと、揺れなどの動きがマッチしているからであると考えられます。
自分でこう揺れるとか、止まるとかが分かっていれば、目と耳で感じる情報には差がありませんよね。
酔いにくい人でも本やスマホを見ていると酔ってしまうことがあると思います。
これは、本や画面に目がいっているため、普通に乗っているよりも動きを予想できないからだと考えられます。
ストレスに耐性が強い人は乗り物酔いは大丈夫そうです。
また、この他にも乗り物酔いには様々な要因が挙げられます。
なぜなら乗り物酔いは自律神経の乱れなので、ストレスになるものは全て要因とされてしまうのです。
例えば、温度や湿度、においなんかも要因になってきます。
寒すぎたり、熱すぎたり、くさい匂いの中に閉じ込められるのは相当ストレスがかかりますよね。
このように乗り物酔いにはたくさんの要因が存在しています。
そのため、乗り物酔いが完全に解明されていないのも現状なのです。
3.酔い止め
世の中には乗り物酔いを防ぐ薬も多く販売されています。
では、どのようにして乗り物酔いを食い止めてくれているのでしょうか?
このような乗り物酔いの薬には、自律神経を安定させてくれる作用があるのです。
自律神経を安定させるので、吐き気も抑えられます。
また、中には胃の粘膜へと働きかけ、さらに吐き気を抑えてくれる薬なんかもあります。
薬を飲んでいるから大丈夫!
そういう気持ち的なものも影響しているとも考えられますよね。
さらに、乗り物酔いを軽減させるのは薬だけではありません。
三半規管を鍛えれば乗り物酔いも軽減されるとされているのです。
後ろ向きで歩いてみたり、マット運動やブランコなんかでも鍛えることができます。
ぜひ乗り物酔いを克服するために、前転や後転、公園にブランコをしにいってください!(笑)
当然、乗り物酔いは体調にも影響しています。
つまり、しっかりとした睡眠と食事が大事であることは間違いありません。
乗り物に乗った時にはスマホの画面や本を見るのではなく、外の景色を見ることも大切なのです。
また、乗り物は乗り続けることで酔いも軽減されていきます。
乗っている時間が長かったり、何回も乗っているうちに慣れてきて、酔わなくなるということです。
ただ、乗り物酔いは個人差が大きいので、難しいところではあると思います。
4.さいごに
旅の途中、移動手段で乗り物酔いに苦しめられたくはないですよね。
そんな人は普段から三半規管を鍛え、できるだけ自分にストレスがかからないようにすっるのが良さそうですね。
私は乗り物酔いになったことがありません。
能天気なのか、鈍感なのか、逆に心配になってしまいますね(笑)。
乗り物酔いの原因を理解し、乗り物酔いを克服できるといいですね!
この記事はサンタさんと乗り物酔いを掛け合わせた記事のリライトVerです。
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