動物には犬のように嗅覚がとても優れ、匂いに頼る生き物もいれば、コウモリやイルカのように聴覚が優れ、音に頼る生き物もいます。
一方、私たち人間はどうでしょうか?人間は視覚に頼る生き物です。百聞は一見に如かずということわざがあるように、私たちは目から多くの情報を得ています。
見えるということは「目に光が入ってきている」ということなのですが、今回は光の性質を利用した不思議な実験をしましょう。
動画⇩
1.準備するもの
・ガラスのコップ
・反対向きに書かれた文字や記号
(PowerPointを使用し、作りました。反転できるので簡単にできます。)
・水
2.実験方法
①ガラスコップの後ろに反対向きに書かれた文字や記号を置きます。
②後はそこに水をそそいでいくだけです。
注意しなければいけないのは、見る位置によって反対には見えないということ。うまく反対に見える位置を自分で探しましょう。
見る位置によって大きく見えたり、小さく見えたり、伸びて見えたりと見え方が異なるので、いろいろと調べてみて下さい。きっと自由研究に繋がるはずです。
3.なぜ矢印は反対に見えるの?
どうして矢印は反対に見えたのでしょうか?それは、光が水やガラスを通る時、屈折したからです。では、なぜ光は異なる媒質(水やガラスなど)を通る時に屈折するのか?
空気中での光の速度は秒速約30万キロメートル、1秒で地球7周半できる速さです。一方で、水中はというとその速度は秒速22.5万キロメートル、ガラスでは2/3の20万キロメートルと落ちてしまいます。
空気のようにスカスカだと光も進みやすいですが、分子が集まっている水やガラスでは進みにくいというわけです。
光がガラスや水に差し掛かったところを簡単にイメージとして解説していきます。今回は光が横並びに人が何人も並んでいるものと仮定しましょう。下図のように1列に行進しています。
まっすぐ歩きにくい道に突入すれば、何も問題ありませんが、上図のように角度が付いているとどうでしょう。
内側の人と、外側の人で、歩きにくい道に突入するタイミング、つまり、速度が落ちるタイミングが変わりますよね。
その結果、光の角度は変わってしまいます。つまり、屈折するのです。そして、この屈折した光が交差して、私たちの目に届くと文字は反転しているように見えます。また、見る位置によっては大きく見えたり小さくも見えるということです。
100円ショップのコップと水があれば、誰でも簡単にできる実験です。皆様もぜひやってみて下さい。
光が斜めから入ってくるということは、コップの形も関係しているということです。色んな形のコップで試してみると面白いですよ。
3.さいごに
このような光の屈折を利用し、虫メガネやメガネ、また、光学顕微鏡など様々なものが作られています。身の回りにはたくさん溢れているので調べてみて下さい。
この実験は見る場所によっても様々な見え方をするので、自由研究にはもってこいの実験ではないでしょうか。
また、光がなぜ屈折するのかというイメージがまずつかめれば、あとは角度やレンズの形を考えることで分かってくるはずです。さらには波長によって屈折率が変わるということもわかるのではないでしょうか?
そうすることでいろんなことが見えてくるはずです。ぜひ、自分でもやってみて下さい!また次回の実験でお会いいたしまよう!
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メイン実験動画⇩