今回、初めての本の紹介となります。
私が読んで面白いな!ためになるなと感じた科学系の本を紹介していけたらと思います。
ぜひ、皆さんも読んでみて下さい。
先日、梅田に行ったときに、思わず手に取った本です。
2013年初版なので、少し古い本ですが、とても面白かったので紹介させていただきます。
薬の本はよく見かけますが、普段私たちは毒に対して、あまり目を向けないんじゃないでしょうか?
そんな中で、この本は、麻薬から化学兵器、お酒やたばこ、そしてヘビやサソリなどの生物が持つ毒にいたるまで、人間の体に与える影響を図多め、フルカラーで書かれています。
また、毒が身体に与える影響だけではなく、その歴史についても描かれているのです。
その中でも、クレオパトラのお話や日本にどのように薬が伝わったかなどの話は、とても面白いと感じました。
ただ、歴史の部分は難しくはないですが、体に与える影響など、少し化学の知識が無ければ難しいかもしれません。
しかし、それでもチャレンジしてみる価値はあると思います。
化学好きならなおさら楽しめる一冊なのではないでしょうか。
1.本を読んで。。。
毒と人間が歩んできた歴史を学び、私たちが受ける医療が毒によって成り立っていることがわかりました。
薬は人間にとって害になれば毒となりますが、適量を見つけ、使用すれば、薬として力を発揮します。
しかし、適量を見つけるには実際に試さなければいけません。
試さなければ、その効果だってわからないのです。
つまり、昔の人たちの命の積み重ねが、今の医療を支えているのです。
薬と毒は表裏一体です。
私たち人間がどのように毒と向き合ってきたかを学ぶことは薬の歴史を学ぶことでもあるので、大変面白いのではないかと感じます。
また、科学など存在しなかった時代、現象は神の力だと信じられてきました。
今みたいに薬や抗生物質が無かった時代には、病気になってしまえば、祈るしかできなかったわけですから。
しかし、科学は宗教の教えを否定する形で発展し、今の技術や理論が生まれてきたのです。
かの有名な進化論を提唱したダーウィンも神が人を作ったとする教えに反し、その信念を貫きました。
また、ガリレオも地動説を唱え、有罪判決を受けています。
今では彼らが提唱した理論が当たり前となっていますよね。
当たり前のことを当たり前と考えず、少しの疑問があれば否定し、徹底的に調べることの積み重ねが科学を発展させると思います。
宗教と科学もまた表裏一体。
科学がどのように発展してきたのか?などの歴史を学ぶことは、非常に大切だと感じます。
さらに、この本では人間が産み出した化学兵器や生物兵器についても触れられていました。
化学兵器や生物兵器は非常におぞましいですよね。
そのおぞましさや残酷さを知り、私たち人間は同じ過ちを犯してはならないと学びます。
科学技術は戦争などではなく、人類の進歩に使用されて欲しいですよね。
ぜひ皆様もこの本で、毒の科学について学んでみてはいかがでしょうか?
2.本の詳細
『毒の科学 毒と人間のかかわり』
日本薬科大学教授
船山信次著
2013年5月2日 初版
株式会社ナツメ社