この本は大阪大学の実際に行われていた講義『料理生物学入門』を本にしたもので、教授と生徒が会話する形式で書かれているため、楽しく読み進めることができます。
そして、講義の内容としてはカレーやアイスクリーム、お肉、麺など様々な普段私たちが口にすることの多い食品を、自分たちで作りながら科学的に食品のことを理解することができるというもの。
私も阪大に行って受けてみたかった!!と思いますが、残念ながら今はこの講義は無くなってしまい受けることはできません。
そもそも当時の私の学力が、、、、
まぁ私のことは置いておいて、この授業を受けるために阪大目指す!という方もいるんじゃないかというくらい面白い内容なので、非常に残念です、、、
また、おもしろいことにこの講義の受講資格として、「好き嫌いは別として、いちおう何でも食べれること、とする」がありました。
つまり、講義で出された食べ物は嫌いだから食べない!では単位がもらえないのです。
好き嫌い多い人は受けられないですね。
確かにきっちりとした分厚い教科書を使い、それに沿って勉強することも大切です。
しかし、それだけでは勉強したことと普段の生活がかけ離れており、入ってくるものも入ってこないし、使わなければどんどん忘れていってしまいます。
だからこそ、自分たちで作って感じて、身近なものに関連させるということが非常に大事なことであり、これからはもっとこのような教育が大切になってくるはずです。
何度も言っていますが、現代は物が溢れすぎているため、自分で作るんじゃなくて買うことの方が多い時代ですからね。
皆様もぜひこの本を読み、講義を受けている気分を味わってはいかがでしょうか?
きっと明日誰かに言いたくなる知識ばかりです。
1.本を読んでみて
本当におもしろい!明日にでもこの情報を誰かに伝えたい!と思うような豆知識が多く書かれています。
なによりも講義は自分で作ってみることから始めるので、読んでいる自分も作りたくなってきます。
もちろん内容的には知っていることも多くあると思いますが、こんな簡単にできるんだや、歴史的な背景などがユーモア溢れる文章で書かれているので、どんどん読み進めたくなるのです。
私も先生の様にもっと人を引き付けるようなうまい説明ができるようになりたいですね。
そして、この本の中で私が一番誰かに話したい!と思ったのは牛の肉の部位の話です。
普段何も考えずに焼き肉でハチノスやセンマイなどのホルモンを食べていたのですが、それぞれの部位のこと、そもそもなぜホルモンと呼ばれるのかをこの本に教えてもらいました。
生物学的にホルモンと言えば血液で運ばれる信号分子のことですよね。
高校の時、たくさんの名前を必死に覚えさせられた方も多いのではないでしょうか。
しかし、焼き肉のホルモンはそれとは全く関係のない名前の由来ということで、ちょっと驚きが隠せませんでした。
ホルモン好き!とか言いながらなんにも疑問に思わず全然知らずに食べていた自分が恥ずかしい、、、
ここではホルモンの名前の由来は言いませんので、皆様もこの本を読んで名前の由来に驚いて欲しいと思います。
職業柄こういうことも一個一個疑問に思わないとだめだということを改めて思い知らされますね、、、
ぜひ皆様も明日の食事中の話題作りしてみてはどうでしょうか?
文庫本なので、値段的にも要領的にもお手軽に読める一冊となっています。
2.本の詳細
『料理生物学』
小倉明彦 著
飯窪成幸 発行者
株式会社 文藝春秋
著者情報 以下著書より抜粋
小倉明彦
東京大学院卒
大阪大学理学部教授
著書
『記憶の細胞生物学』
『お皿の上の生物学』