渡り鳥やウミガメ、ゴキブリなど多くの生き物は人には感じることのできない地球の磁場を感じる力があります。
一体どのようにして磁場を感じることができるのか?
実はまだわかっていません。
かの有名なファイマンは
「作ることができないものは理解したことにならない」
とおっしゃっています。
人間は有機物から単純であると言われている細菌でさえも作り出すことはできていません。
生命を作ることができていない人間は、最初の疑問を含めまだまだ生命を理解するに至ってはいません。
これから生命をさらに理解するには量子力学的な考え方が必要なのです。
今回は生物を量子力学的な観点でとらえ、最新の研究を含めその考え方を教えてくれる一冊を紹介したいと思います。
『量子力学で生命の謎を解く』
一見無縁そうに見える生物と量子力学。
しかし、私たちの体も細かく見れば粒子からできており、古典物理学だけでは説明できないことが多いのです。
これからさらに生命のことを理解していくならば、量子力学は必須であり、皆様もその考え方に触れてはいかがでしょうか?
本を読んでみて………
この本はコマドリがどのようにして磁場を感じることができるのか?から入っていき、酵素がなぜあんなにも効率よく化学反応を触媒できるのか?を考えていきます。
そして、後半に差し掛かると生命とは何か?という壮大な疑問へと挑みます。
生きていると死んでいるの違いは何なのか?
そこをスピリチュアルに考えるのではなく、科学的に考えていきます。
魂とはなんなのか?
私たち生き物の体の中はエネルギーの揺らぎが大きく、量子力学は通用しないと考えられていました。
しかし、植物は量子コンピューターであるというような考え方が浮上し、複雑に絡み合っているのではないかというのです。
観測された時点で粒子はその場にいることになりますが、そうでない状態を維持するようにうまく舵をとっているのではないかと。
現段階で人間が作り出した量子コンピューターは絶対零度に近い温度下でしか利用することはできません。
なぜなら、周りの影響を受けてしまえば観測された状態となり、量子的な状態をとることができないからです。
生き物たちは絶対零度とは程遠い温度の中で、なぜ量子の不思議な一面を利用できるのか?
例えば航海に出た船が荒波に飲まれそうになった時、優秀な船長であれば、帆を出し風や波を読み、切り抜けることができます。
まさにこのようなことが体の中で起き、うまく量子的な世界を制御し、古典物理学的な大きな事象と量子的な小さな事象をつなげているのではないかと。
もし、この制御が様々な要因によってできなくなったものが「死」と考えられるのではないでしょうか。
荒波が起きている生物の体内で量子的な世界を利用できているのかを考えることは、これから実現されると言われている量子コンピューターへの大きな利用が考えられるだけでなく、より深く生命を理解するには欠かせないことなのではないでしょうか。
皆様もぜひ、この本を読んで量子生物学の考え方に触れてみてはいかがでしょうか?
本の詳細
『量子力学で生命の謎を解く』
著者 ジム・アル=カリーリ、ジョンジョー・マクファデン
訳者 水谷淳
発行者 小川淳
発行所 SBクリエイティブ株式会社