水は常圧下において、0℃になると氷に変わります。そのため、冷凍庫に水を入れて置くと氷になりますよね。
しかし、ある工夫をすれば氷にならない水が作れます。この状態は過冷却水と呼ばれ、マイナスの温度になっても凍っていない水なのです。
そして、この水を振ったり、落としたり衝撃を与えるとどうなるのか?まずは動画を見てみて下さい。
いかがでしょうか?振ると一瞬で氷に変わりましたよね。また、水をたらしていくと氷の柱ができました。過冷却水はこのように衝撃を与えることで一瞬で氷に変わるのです。
今回は過冷却水の作り方をご紹介していこうと思います。
1.準備するもの
・発泡スチロールの容器
(100円ショップの物で十分、大きすぎると氷の量が増える)
・ペットボトル
(厚めの方が良いです。ふにゃふにゃのものではなりにくい)
・水
(水道水よりもミネラルウォーターや精製水の方が良い)
・氷 容器がいっぱいになるくらい
・塩 大量
・温度計
2.作り方
冷凍庫を利用するやり方もありますが、冷凍庫によってできなかったりするので、今回は冷凍庫を使わないやり方です。
①発泡スチロールの容器に氷をペットボトルがつかるくらいにいれましょう。まだペットボトルはいれません。
②氷に塩をかけていきましょう。混ぜながら温度を測り、マイナス10℃以下になるようにしてください。
③温度がしっかり下がったらペットボトルが入れやすいように少し水を入れましょう。
④水の入ったペットボトルをその中にいれましょう。
⑤1時間くらい待っても凍っていなければ、過冷却水の完成です。
3.どうして一瞬で凍るの?
過冷却水は凝固点を下回っても液体の状態のままですが、これは水がゆっくり冷えていったことによって、氷の元となる種ができにくいから起こる現象です。
固体は水分子が集まって結晶構造を作ってできるのですが、それにはきっかけとなるものが必要となります。ゆっくり冷やすことで、きっかけが生まれず、結晶構造を取れなくなるので、凍る温度でも氷にならないのです。
水に混ざっている不純物などもきっかけになるので、水道水よりも精製水で実験する方が成功しやすくなります。まったく不純物の無い水であれば、マイナス80℃の温度でも氷にならないそうです。
そして、過冷却水に衝撃などを与えれば、それがきっかけとなり、一気に氷に変わるのです。
4.さいごに
動画で使ったのはミネラルウォーターです。精製水を使った方がもっと氷になったかもしれません。色々な水で試してみるのも良い自由研究になりそうですね。
また、氷のタワーを作るのであれば、ものすごく慎重にペットボトルを傾けなければいけないということ、そしてお皿は冷凍庫などで少し水を入れて凍らせておいた方が成功しやすくなります。
皆様も実際にいろいろと試してみて下さい。